作成要領


宮崎県家畜排せつ物浄化処理指導マニュアル作成要領
 
宮崎県家畜排せつ物浄化処理施設整備推進検討委員会


1. 目 的
   畜産経営における尿汚水の浄化処理施設については、国内で数多くの浄化処理プラントが紹介されている。
 平成11年度に「家畜排せつ物の処理の適正化及び利用の促進に関する法律」が施行され、畜産経営においては施設の設置が急がれている。
 そこで、各浄化処理プラントメーカーが提案するシステムについて、宮崎県家畜排せつ物浄化処理施設整備推進検討委員会(畜産環境アドバイザー)による総合的な評価検討を実施することにより、畜産経営に適した浄化処理施設の選定および施設整備推進のための指導手引書を作成し、畜産経営における尿汚水の適正処理に資する。

2. 作成方法

1)畜産経営に適した浄化処理プラントの総合的な評価

 浄化処理プラントメーカーに一定の基準を示した仕様書による施設設計の提示を依頼し、畜産環境アドバイザーが総合的な評価を行う。

(1)施設設計の提示を依頼する浄化処理プラントメーカーの選定
 浄化処理が確実に行われるプラントであることが望まれることから、以下の基準を満たすメーカーに提示を依頼する。

  • 畜産経営に処理プラントを現に設置してあって、稼働実績が適正であること。
  • 県内、近県に支店、営業所等を有し、運転管理等アフターサービスが迅速に実施可能であること。


(2)施設設計を依頼する処理の条件
 県内に、今後、汚水処理施設の設置を推進する農家は、養豚農家が多く、その飼養規模は、繁殖豚で数十頭から、数百頭規模の農家であるが、設置後の規模拡大等も考 慮して、母豚200頭規模を想定し、処理対象汚水の基準は汚水処理施設設計審査基 準(畜産環境整備機構)、処理水基準は水質汚濁防止法に定められている有害物質、生活環境項目の基準とし、放流を基本のとおりとする。


(3)依頼する提出資料
  総合的な判断ができる材料として、以下の資料提出を依頼する。

  • 汚水処理施設概要フローシート
  • 汚水処理設計概要フローシート(物質収支)
  • 設計計算書(施設規模、汚水処理の算定根拠、計算書等)
  • 施設設置費の見積書(イニシャルコスト)
  • 施設運転費の計算書(ランニングコスト)
  • 使用する機器の性能カタログ等
  • 施設概要を示す図面、配置図等
  • 畜産経営での設置実績および処理の状況(設置年月日、場所、処理汚水量、処理水放流の有無、処理水数値)
  • 機能保証・アフターサービスの内容

(4)評価の方法および内容
 畜産環境アドバイザー(宮崎県家畜排せつ物浄化処理施設整備推進検討委員会委員)が提出された設計計算書を精査すると共に、県内での処理状況を調査して評価するが、その評価項目は以下のとおりとする。

  • 浄化処理の確実性
  • 販売実績
  • 運転管理の難易度、安定性、継続性、省力性
  • 処理能力(BOD,SS,COD,T-N,T-P,NO3,NO2、NH4等)
  • イニシャルコスト
  • ランニングコスト
  • 費用対効果
  • 施設機械の耐久性
  • 施設機械の必要面積
  • 機能保証、具体的なアフターサービス
 

2)指導手引書の作成


畜産技術員、畜産農家が活性汚泥法による尿汚水処理について理解を深め、処理施設を適切に設置、運転できるように、以下の内容を含む手引書としてまとめる。

(1)活性汚泥法の原理
(2)活性汚泥施設の維持管理上の留意点
(3)畜産経営に適した活性汚泥処理施設の紹介{( 1)の検討結果}
(4)その他資料
 

3)指導手引書の公表と活用

 家畜尿汚水施設研修会(仮称)等で一般に公表し、補助事業等の施設設計に活用する。


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