たい肥Q&A

Q1.「たい肥」って何ですか?

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稲わらなどの収穫残渣や家畜ふん尿などを堆積し微生物の力で空気のある状態で分解させたものです。宮崎県では畜産が盛んですから、家畜ふんたい肥がたくさんあります。

Q2. なぜたい肥を作る必要があるのですか?

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作物の残渣や家畜のふん尿などの新鮮な有機物は分解するときに酸素や養分を必要とし、場合によっては作物に悪い影響を与えます。また、新鮮な家畜ふん尿は臭の強い物質を含んでいます。そのため予め分解しやすい有機物を分解しておくと臭いもなくなり作物に対しても悪い影響を与えなくなります。

さらに、有機物は分解する(たい肥化)過程で温度が上がりますので雑草の種子や病原菌が死滅し、安心して使うことが出来るようになります。

Q3. たい肥はどのようにして作るのですか?

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たい肥というくらいですから、基本的には色々な原料を堆積して作ります。しかし、有機物を微生物が分解するには酸素が必要です。そこで堆積しておくだけでなく、空気に触れていない部分を空気に触れさせるため、下の部分を上にもってくる操作(切り返し)を一定間隔(通常1週間から2週間間隔)で数回繰り返し、時間をかけて(1〜5ヵ月)分解させていきます。その後さらに3週間から半年くらいかけて熟成させます。

たい肥の作り方

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Q4. たい肥にはどんなものがありますか?

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たい肥には稲わらや野菜の茎葉など作物残渣を原料にしたもの、食品加工残渣等を原料にしたもの、家畜ふんを原料にしたもの等実に多くの種類があります。しかし、畜産が盛んな本県で生産されるたい肥は家畜ふんたい肥が主なものです。家畜ふんたい肥には主な原料となる家畜排せつ物の種類により、牛ふんたい肥、豚ぷんたい肥、鶏ふんたい肥、これらの原料が混合された混合ふんたい肥があります。そして、それぞれに成分含量等の特性が少しずつ異なりますので使用法も異なってきます。

Q5. 良いたい肥とはどんなものですか?その見分け方は?

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一般的には良いたい肥とは手に取っても臭いがなく、サラサラしているものとされています。このようなたい肥は土壌や作物にとって安全であり、また植物に養分を与え、土によい影響を与えます。

Q6. たい肥はどのようにして使うのですか?

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たい肥の種類は色々なものがあります。たい肥の働きを大きくわけると土を軟らかくする効果のあるもの、植物に養分を与える肥料として使えるものがあります。また、使う作物によっても異なります。

例えば野菜類には肥料分がそう多くない牛ふんたい肥は1m2当たり3kg程度、肥料分がやや多い豚ぷんたい肥は1.5kg程度植え付け前にやって土と混ぜておきます。

作物栽培はたい肥と化学肥料を上手く組み合わせて使うことが基本ですが、化学肥料を使いたくない時は成分の高いたい肥を多めに使って作物を作ることも可能です。

Q7. 作物にはなぜたい肥が必要なのですか

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作物が育つためには水と空気と養分が適当に供給されることが必要です。水と養分は土を通して主に根から吸収されます。従って土壌には空気と水を保つ空間が必要です。たい肥はこの土の粒子をくっつけて団粒化し適当な空間を作る働きがあります。また、当然植物が必要とするあらゆる養分をも供給します。特にたい肥には普通の化学肥料には含まれていない植物が必要とする養分も含んでいます。

Q8. たい肥は多くやればやるほど良いのですか?

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たい肥は作物にとっては極めて有効なものですが、それでも多くやれば良いというものでもありません。それでは多くやるとどのような影響が出るのでしょう。一つは土が軽くなりすぎて(空間が多くなりすぎて)水や養分を保持する力が弱くなります。このことは水の管理を難しくします。また、たい肥は養分を含んでいますから、養分もやりすぎると作物に悪い影響を及ぼします。さらに、作物が吸収しきれない養分が流出し環境へ影響します。従ってたい肥も適正に施用することが基本です。

Q9. たい肥の塩類について教えてください。

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塩類(えんるい)というのは化学的には酸とアルカリが反応して出来たものをいいます。その中には当然食塩(NaCl)も含まれますが、そのほか肥料である硫安、塩化カリなどいろいろなものがあります。

そしてこれらは水の中では溶けてイオンとして存在しますから、その量が多いほど電気を通しやすくなります。その量の目安としてEC(電気伝導度)という指標が使われ、mS/cm(1cm当たりのミリジーメンス)で表示されます。

たい肥にはいろんな成分が含まれていますが、ECはたい肥中の肥料成分の総量を示す目安と考えられます。従ってこの値が高いと肥料成分が高いということになります。

最近のたい肥はECの分布範囲が極めて広く、牛ふんたい肥は3〜7mS/cm、豚ぷんたい肥では4〜8、鶏ふんたい肥では7〜9付近のものが多くなっています。

ちなみに、家畜ふんたい肥の種類別品質推奨基準ではECの値は5mS/cm以下となっています。作物にとっては土壌の塩類濃度が高くなりますと障害を起こします。雨にあたらない施設栽培ではECの高いたい肥を施用し続けると土壌の塩類濃度が高くなることも考えられますので、土壌の適切な管理が必要です。

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